ヒナタ様がナルトを好きだということは周知の事実だ。
知らない人間は単に関わりがないか、鈍感なのだろう。
対して、オレがナルトを好きだということはオレしか知らないことで、これからも知られる訳にはいかない。
そう思っていたのに……。
「へえ……。お前なんかがナルトとツーショット?」
「任務で…ちょっと撮る機会があったものですから……」
うっかり落とした写真を拾われて、バカにしたように宗家の人間に笑われた。
早く返せ、と言いたいのだが必死だと思われては困る。
今日に限って、写真をポーチに入れて持ってきたのはやはり間違いだったか……。
宗家と分家の会合がとにかく嫌で、ナルトに居て欲しくてお守りのつもりで所持していたのが仇になろうとは。
結局、本日の会合でも分家には発言権など無いに等しかったし、まあ居心地が悪かった。
確かに、中忍試験以来ヒアシ様とはわだかまりが解けて、その娘のヒナタ様ともそれなりには上手くやっているのだが、それでも宗家と分家の溝は未だ根深いのだ。
「分家の癖に、ね。理解しての行動か? この写真」
現に、オレたち分家はまだまだ敬称、敬語を強いられているようなもんだしな。
向こうからこれからは呼び捨てにしろ、だとかそういう働きかけでもなければこちらからは難しいのが現状だ。
「…その場にヒナタ様がいれば、お譲りしましたよ」
「当然だ」
…オレだって、ナルトのことが好きなのにな……。
いくら平等を目指すと言ったって、銃を所持する相手に「撃たないよ」などと微笑まれてもどう信用しろと?
額に呪印がある限り、多少、疑心暗鬼にもなるだろ。
指先ひとつで、簡単に殺せるんだから。
幼い日、オレの目の前で見せしめで呪印使った癖に。
父上が悪いのではなく、不出来なお前の娘を叱れよ。
結局、跡目を外し下忍にさせても呪印は付けないのか。
また攫われたら今度は一体、誰が犠牲になるのかな?
絶対に、オレの命の使い方はオレが決めてやる……。
「…では、返してください」
「何を言っている? こんなのもしヒナタ様が見たらどう思う? 気弱で優しい方だ。きっと自分でなくて悲しむ」
「…は……?」
「燃やしてしまおう」
そいつは火遁の印を手早く結び、手のひらに小さな、しかし写真一枚燃やすのには充分な炎がゆらめく。
「…待ってください……。別に見せるつもりはないです」
「見ようと思えば見られるのがオレたち一族の眼だろう」
ああ、なるほど……。
こいつは、ただ単に分家オレに嫌がらせをしたいだけだ。
まあ、オレも性格の悪さにかけては自信があるのだが。
どうやら嫌がらせをする相手を間違えたようだな。
オレ相手に口で勝とうなど、百年早いんだよ。
……オレに勝てたのはナルトだけだよ。
全ての者の中で一番強いのが、ナルトだからな。
それに、ナルトはオレに約束してくれたしな……!
「燃やしたいのならば、どうぞ。ナルトもそれと同じ写真を所持しているので今からあいつに愛に行きます…♡」
♡♡♡
ナルトが火影になるまでなんて待てない……。
オレが内側から日向を変えてやるつもりでいるのだが。
「オレ一人では…なかなか難しいな……。お前が火影なったら、その時は二人で……、」
お前の将来には、オレという存在が深く絡んでいくのだと鈍感なナルトには今のうちから実感させておく。
たとえ結婚など出来なくても体で繋ぎ止めておいて……いつかはナルトとオレは他の形で結ばれるんだ。
今はナルトが別の方向を向いて、別の人に憧れ、別の人を追いかけていても戻ってくるのは必ず日向だ、と。
その実態は、オレなんだということを────
「日向を変えるのがオレとお前の夢、だろう……?」
「あ、ああ…、そりゃあ、もちろんだってばよ」
「ずっと、待っている……♡」
「勢いで、つい、とはいえ約束は約束だからな……」
「もう一回…聴かせてくれ……。あの時の言葉…♡」
「…んと、オレが火影になってから…日向を変えてやるよ……!」
「ぁ、あぁ…♡♡♡」
何百回でも、繰り返し聴きたい聴きたい聴きたい……!
大切なオレたちだけの約束♡
オレたちを繋ぐもの…♡♡
ナルト…愛してる……♡♡♡
小さくても、勃ち上がると一番強いと知らしめてくるかのようなナルトのそれ……♡
いっぱい腹の中を擦られて、突かれて、押し上げられて幸せで満たされてしまう……。
ああ、くそっ……オレからナルトを奪わないでくれ…これ以上、オレから幸せとらないでくれ……。
「…せっかく、ナルトと撮った…写真っ……燃やされてしまうの…嫌だ…った……っ」
「写真…? って、この前の、あれ?」
「燃やされて…オレはっ……これからお前の居ない数年を……独りで過ごすのだろうか……」
もう、いまさら独りには耐えられないんだよ……。
傍らに放り投げていたポーチから、これだけのために買ったインスタントカメラをナルトに押し付けた。
「さあ、ナルト…撮ってくれ……♡」
「いや、でもさ……」
「旅の間、写真のオレを見て…お前も抜いていいから」
写真なんて、本当は好きでもないが確かな証拠になる。
オレと、お前が繋がったという事実が欲しい。
オレのこと、たまには思い出して欲しい。
数年後、オレの事など忘れたかのようになっていたら?
ナルトは、鈍感だから……。
躊躇いがちにナルトは胸板に押し付けられたカメラを受け取り、オレにレンズを向けた。
だからオレは最高に幸せだ、という顔で応えてみせた。
「…これってさ、ハメ撮りってやつだろ……?」
「…そういう名前がついているのか?」
「よく、えっちな雑誌に載ってるってばよ」
時間とともに鮮明になって行く現像された写真。
きっと、顔も真っ赤で涙で濡れて、とんでもない痴態が映し出されているんだろうな……。
数枚ほど撮って、じわじわ現像されるのを待つ間、再びナルトの腰が容赦なく動き出す。
「んっ…♡ ぁ、あっ、ぁ♡♡ んんっ…♡♡♡」
「写真もいいけどさ、…っ、やっぱり生のえっちには適わねーってばよ……っ」
「ん、んっ…♡♡ ぁ、っふ…♡」
ナルトの首にしがみついて勢いよくキスをする。
こんなこと…、顔見ただけでぶっ倒れるあの人には絶対に真似できない。
セックスだって、オレならフェラも上手くできるしこの穴でナルトをいっぱい満足させてやれる。
オレだって、ナルトが大好きなんだよ……♡
ほら…! そしたらナルト自らが舌を絡めてきた。
やっぱりナルトは積極的なのが好きなんだろう。
それに……。
オレの長い髪が好きみたいで、よく触ってくれる。
もしかして長い髪に、飢えているのか……?
オレのなら、いくらでも触ってくれて構わないのにな。
数年後には…髪、もっと伸びていることだろう。
そしたら、またこの長い髪に触ってもらおうかな。
それはオレだけの、専売特許だから……。
そうだろう?
「ナルト…♡ お前は、オレとひとつなんだからな……♡」
「心配すんな、って……! 約束は忘れてねーからさ……」
「んんっ…♡♡♡゛」
ああ、白眼で見たオレの胎内にナルトが射精した瞬間を現像できればいいのにな……♡
THE END
ケー様 HP