もうすぐ

桜舞い散る季節。
私はヴィータとフェイトちゃんを連れてなのはちゃんの家に向かっていた。

「もう、ヴィータ口元付いてるで」
「えっ!」

いつもの日常。でもある時からポッカリ穴が開いたような感覚をぶら下げて日々を過ごしている、気がする。

「はやても付いてるよ」

あかん、ふとぼーっと考えるとこれやなぁ。

「ありがとうフェイーーわっ」





「すまない」



何かがカチッと、はまる音がした。

「気をつけろよなー!」

軽くぶつかった肩が、ドキドキとする。その人はまた、歩き出した。あ、待って、待って!

「あの!」

その人は……その人は此方を、何故だろう? 優しい目で見てくるからーー




ポンポンと肩を叩かれる。フェイトちゃんが心配そうに。

……あぁ、何にも言えなかった。

「はやて? ニコニコしてどうしたんだ?」

何も言えなかったけど、

「分からへん……何か、何でやろ……でも何か」
「?」
「あの人とはまた会う気がする!」

自分でもよく分からない自信と喜びに二人はポカーンとした後、顔を真っ赤にする。察した私は違う違うと否定するも、心の穴は塞がれ、カラフルに色付いていた。

次会えるのは、きっと、すぐーー。