月下這う熱
視界は暗いというのに、体がどうにも熱い。
――灼熱の地獄に落とされたか。
いや、それにしては心地良い熱さだ。どちらかといえば、ぬるま湯の温泉に浸かっているような……。
「んむ……、う、ふぅ……」
聞き覚えのある声。これは、そうだ。テンテンの声だ。いったいどうしたんだ、もがくような声をして。
まさか、なにか――。
「っ、テンテン! お前、なにをして……っ」
「ングッ。ひょっと、へんへー。いひなひおひないれふらはい」
「あ、ああ、すまん。いや、そうじゃなくてだな!」
飛び起きるように布団から上体を起こすと、下半身から自分以外の体温があることを知覚した。
月明かりが射し込み、布団のなかに潜り込んだ女の顔を妖しく照らす。
下半身に顔を寄せ、性器を咥えている女。それはテンテンだった。
「なぜここに、いやそれより、どうして」
想像すらしたことのない光景に、オレはうまく言葉が出てこなかった。
「いいから離れなさい。こんなこと、するものではない。ましてやオレになんて……。こういうことは好いた者同士でやることだ」
「……先生は私のこと、嫌いですか?」
テンテンはむくれた顔をして、オレの性器に頬ずりをした。充血した唇は唾液で濡れて、月光を反射していた。
テンテンの指はマメがあり所々硬い膨らみを感じたが、それでも女の柔らかい手に変わりなかった。
その白い手が男根に絡みつき、先端に向かって柔く扱いた。
「っ。どうしてそうなるんだ」
「こういうことは、好きな人同士でするんでしょ……? いま先生が言ったじゃないですか」
不満げなままテンテンはまた口を小さく開け、舌先を尿道口につけた。
そのまま鈴口をぱっくりと咥えると、ねっとりとした口内の熱が根元に下がってきた。
「や、やめろ、テンテン……っ」
「ひやれふ」
声の振動が肉棒にびりびりと刺激を与え、オレは思わず顔をゆがめた。
テンテンはぎこちなく頭を上下させ、時折じゅぽっと音を立ててペニスから唇が離れた。
荒い吐息がペニスに吹きかかり、それすらもオレの頭にはガンガンと響く快感になった。
「く……っ」
再び頬をすぼめ、じゅっぷじゅっぷと苦しそうに肉棒を頬張るテンテン。口の端から唾液だかオレの我慢汁かが零れ落ちて、玉袋にタラリと水たまりを作った。
テンテンの喉奥が一度ごくりと上下し、竿を吸うようにして口が先端のほうへと移っていく。
「っん、はあ……、先生だって、こんなにおっきくしてるじゃないですか。なのに、やめろだなんて……」
上気した顔で、眉を八の字にゆがめたテンテンはオレを見上げた。
教え子の厭らしい姿に、オレは深く溜め息を吐いた。
「そうか。それならば、わからせるしかないか」
オレはペニスを握ったままのテンテンの手を引き寄せ、掛け布団の中から細い体を抜き出した。テンテンは膝立ちになり、糸一つまとわない、乳白色の裸体をオレの前に晒した。
月の明かりで首筋や胸、ふとももの曲線や乳頭の凹凸が柔らかく映えている。
「わからせるって、なにを……」
そう呟くテンテンの腰を両手で掴み、ペニスの真上に来るように固定した。
そしてテンテンの唾液ですっかり濡れたペニスの先端を、彼女の秘部にぴとりと触れさせる。
「ま、まって、先生、まだ私……っ」
「淫乱な生徒には、仕置きをしてやらんとな」
そのまま狙いを定め、ずっぷん、と薄い腹の中に肉棒を差し込んだ。
「えっ、あ、あぁぁぁんッ」
反り返るくらい腫れたペニスで腹の中を掻いてやると、テンテンの背中は弓のようにしなった。
「あっひぃぃっ」
狭い肉筒に押し込み、引き抜き、と出入りしてやれば、少女のこぶりな乳房がたゆんたゆんと揺れた。
「ひぃぅ、ひゃぁっあんっあっ、うそっ、いきなり、はげしいっ」
「男を誘惑するとどうなるか、しっかり教えてやらんとな」
挿れたばかりだというのに、水浸しの割れ目から溢れる液体。かき混ぜられてか、そのとろみは白く泡立ち、桃色の秘部を艶やかに飾った。
垂れたその愛液はオレの陰毛を湿らせ、恥丘がくっつき離れるとき余韻を引くようにへばりついた。
「まったく、こんなスケベな女になってしまうとはな。いったいどうしたというんだ。ん?」
「あっああぁんっ、ひぁっ、はぁんっ」
無体を強いているとは思いつつも、オレの上でぐねりぐねりと快感にくねらす体を見ていると我慢がきかない。
「ほうら、テンテンっ、これが欲しかったんだろう、男のチンポがッ」
パァンッと腰を打ち付けるとテンテンは「ひぎぃっ」と悲鳴のような声をあげた。だが語尾はつり上がり、媚びるような嬌声だった。
「まさか教え子がこんなに淫乱だとは、思いもしなかったなっ」
「い、いんらんだなんて……っ」
「淫乱だろう。指で慣らしてもいないのに、オレのチンポを根元までぐっぽり腹に収めてっ。マンコからは厭らしい汁が、ほら、こんなに溢れてぐしょぐしょじゃないか」
高い体温を感じる肉壺に、鈍器のような生殖器を打ち込む。
「あぁぁんっやだっ、そこ、へんになる……っ」
「そこ、とはどこのことだかなっ」
「う、あ、っ、あぁっ、し、子宮、こんこんしちゃぁ……!」
緩んだ口から発せられるその言葉に、いっそう男根に血液が集まるのがわかった。オレは堪えられず、肉欲をぶつけるように欲棒を深いところへ押し込んだ。
「あぁぁ……っ、ちょっと、いったん、まってっ、せんせぇ……!」
「待たん。それに、ここも待ってほしくないようだぞ。オレのペニスを離さんばかりか、先走り汁も搾り取るように締め付けてきて……」
細い腰を掴み、肌を打ち付ければぱちゅんっと濡れた音が響いた。しとどに溢れる愛液がオレの足の付け根まで垂れ、べたべたに濡らしている。
テンテンのだらりと力の抜けた腕が、腹にしなだれた。その腕を掴み、思いっきり腰を打ち付ける。
「あぁんっ、はぁっ、んんっ、あっ」
ばちゅんっ、と肌をぶつけ、くちゅんっちゅぷんっと責め立ててやると、テンテンの表情はどんどん蕩けていった。
頬の染まったテンテンの顔が近づき、熱い舌がれろりとオレの唇を犬のように舐めた。
「ん、はあ……っ、せんせー、すき、すきです、だから、もっと……」
「なっ」
愛らしく恥じた表情のテンテン。思わずオレまで顔が熱くなった。
「そ、そんな煽ることまで言うとは……っ。まだまだ仕置きがたりない、ようだなっ」
「あぁぁぁんっ」
ゆだるような熱が、ぐわんぐわんと頭からペニスまでを火照らせた。
繋がった秘部から胸まで密着しているが、それでも隙間ひとつ開けないよう腰に両腕を回して拘束した。
止められないピストンが、ぐっちゅぐっちゅぐっちゅ、じゅぷんっ、と粘り気のある水音をさらに響かせる。
「あっ、ひぅっ、なんか、きちゃいそう、せんせいっ」
耐えるように歪んだ顔が、解放を求めるように潤んだ視線を向けた。
「っ、ああ、オレもそろそろ出そうだ……っ」
腰に指が食い込むくらいに掴み、果てたがるペニスから引き抜こうとすると、テンテンの体はそれに抵抗した。蛇のように腹からうねり、再び深いところまでずっぷりとナカに埋め込んだのだ。
「て、テンテン……!」
「せんせい、ナカに、だして……っ、わたしをっ、せんせーのせーしでいっぱいの、せんせいだけの性欲処理に、してくださいぃ……っ」
懇願するように、切なくそう言われてしまえば、オレはあらがうことが出来ずテンテンの胎内の一番深いところへ、どちゅんっと男根を責め立てた。
「あ、あぁぁぁッ」
テンテンの体がびくんびくんと打ち上げられた魚のように震えた。
ぎゅんぎゅんと締め付ける膣の蛇腹に押し出されるように、子宮の口に向けて絶頂の液体を吐き出した。
「っはぁ……、は、あ……。せんせーだいすき……、私、センセーの精液がもっと欲しいです……」
「はあ……っ、いったいどうしてそんなにオレのがほしいのか、ちゃんと説明してもらわんと、なっ」
吐き出してもまだ熱り立ったままの肉竿を、小さな痙攣の続く膣に叩き込んだ。
「あぁぁぁっ」
テンテンは恍惚とした表情を浮かべ、ふたたびその体に男根を迎え入れた。
窓の外はまだ暗い。夜はもう少し続きそうだ。